うさぎの書斎

司書教諭が読んだ本

2017年には向けて

恐ろしいもので、現職に就いて15年目を迎えようとしてます。 この間、いろんな形で本を紹介していこうと頑張ったつもりですが、とにかく読みたい本が先立ち、紹介はつい後回し…。 少なくとも、来年は今年より冊数多く紹介できればいいな、と、今年はわずか二…

英語は共通言語になり得ない

私が作文教育関係で教材研究をする時、必ず手に取るのが外国語専門の言語学関係者の書籍である。少し前なら鈴木孝夫や外山 滋比古あたりの著作を愛用していた。 日本人学者による日本語学のための書籍は、基本的に日本語学を学んでいる人間のためのものであ…

「隠れ読み」人生

我が一家は読書家、というより活字中毒一家であった。幼い時から、家の中には本が溢れていた。かつては「教育県」といわれ、さらには教員ないし教育関係に仕事に従事した人が多かったせいもあってか、本を買うことが何よりの楽しみであり、貧しい我が家では…

東京オリンピックは、高度経済成長期のにぎやかなお祝い

戦後70年ということで、この70年間を振り返る書籍が何冊も刊行された。 私も勢いに任せて買ったが、なかなか本腰入れて時間かけて読む機会がなく積ん読状態。 ようやく読んだのが、『戦後史入門』。 戦後史入門 (河出文庫) 作者: 成田龍一 出版社/メーカー: …

事実こそ小説

もともと評伝が好きである。 一人の人間の生き様を読むのが楽しい。その人のハレの部分もカゲの部分も、どちらもあって初めてその人生が色彩豊かになる。 そして、ここのところ吉村昭がマイブームになっていた。 だから、実家に帰省中、長野の大型書店でこれ…

下りるために登るんさ

1985年8月12日。私は小学生で、テレビで日航機墜落の速報を目にした。その後、祖母を相手に「大変だー!」と騒ぎ、テレビを通して入ってくる速報に釘付けになっていた記憶がある。私の長野出身。当初、言われた墜落現場は長野県。複数の目撃が県内から寄せら…

オリジナリティー

作家は文字という道具を用い、自分の世界を表現する。語彙そのものは何万語という途方もない数であるが、それでも無限ではない。言い換えれば、限られた範囲の中で言葉を組み合わせて表現しなくてはならない。作曲家はもっと大変である。基本は12音。あとは…

ミクロの決死圏

「死」は恐ろしいことである。人は、突然「死」に直面するとしばしばパニックになる。特に、それが原因不明で治療法も対処方法もわからずとなれば、集団ヒステリーともパニックともなり得る。 最近でいえば、エボラ出血熱がそうであり、少し前は各種新型イン…

ピカ

8月6日なので、ヒロシマに哀悼の意を込めて。 小学校1年生の時の、母からのクリスマスプレゼントがこの本だった。 ひろしまのピカ (記録のえほん 1) 作者: 丸木俊 出版社/メーカー: 小峰書店 発売日: 1980/06 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 15回 こ…

奇跡のリンゴ

読書に関する本は、可能な限り入手している。 私の読書術というのは、誰をまねしたものでもなく、自己流である。そのためなかなか言語化して説明するのは難しい。自分の読書術の言語化にふさわしい表現を探して読み続けていると言っても過言ではない。 また…

悪党

好きな作家をあげる時、この数年間は南木佳士と答えてる。 もともと母が読んでいたこともあり、高校時代、母のところから文庫を持っていっては読んでいた。母の読書の傾向は、その時々ではっきりしていたので、南木佳士を読んでいたときには正直びっくりした…

肩たたき

「家族」とはなんだろうとたびたび考える。 両親がそろっていても問題がある家庭はあるし、そろっていなくても立派な家庭もある。 両親の職業が、医者や弁護士といった世間一般的に「立派な」職業についていても、不幸せな家族がある。 一方で、世間には「恥…

無限の星空

高校時代、吹奏楽部、文学部、演劇部と部活を渡り歩いた。一番長く最後まで所属したのは文学部。演劇部は準部員の立場。友人から頼まれた。高校二年のときの演劇部。部員三名。頼まれて入った準部員二人。さあ、なにやるか、金もないから大道具に金もかけら…

シンパシイ

当事者ではないけれど、大きな事件が衝撃の記憶で残っていて、その話になると多少なりとも興奮するという事件は、誰にでもあるらしい。 うちの母の場合は、ケネディ大統領暗殺、三島由紀夫割腹自殺、浅間山荘事件。 私は、日航ジャンボ機墜落事故とサリン事…

とりあえずご挨拶

高校生相手に図書館利用教育と読書教育に携わっています。 学校図書館、特に高校の図書館、そしてあまり情報がない高校生の読書傾向についてまとめていきたいと考えてます。 それから、私の読書が電子書籍に移行してから、ますます作品の内容と表紙とタイト…